ロータリエンコーダの使い方

最終更新日 2024-10-24

1.直接駆動する

ロータリエンコーダが1回転する時のプーリの円周長さを求める。		計算方法は下の項で説明しています。
移動させたい長さから、ロータリエンコーダの回転に換算したパルス数を求める。
換算したパルス数で回転させた場合の距離を求める。
動かしたい距離と換算したパルス数で回転させた場合の距離の差を求める。誤差が大きければロータリエンコーダのパルス数をアップさせる。
軸に直接ローラを取り付ける。
送り出されえる測定物でロールが回転。（ベルトの回転に対して逆回りになります。）
軸に負荷がかかりすぎないように注意が必要です。

例えば、プーリ直径36mmで170mmを200パルスのロータリエンコーダを使って、動かす場合について説明します。
※計算の説明は、ロータリエンコーダをエンコーダに省略し説明いたします。

プーリ1周の長さは、直径×円周率πなので36mm×3.14＝113.04mmになります。
移動させたい長さは、170mmですので、プーリの円周長さ113.04mmとの比を求めます。
長さ比率＝170mm/113.04mm＝1.5039となりました。
プーリ軸にエンコーダは直結しているので、エンコーダが1.5039回転動けば、170mm動きます。
1回転が200パルスのエンコーダで1.5039回転動かすときのパルス数は、200×1.5039＝300.78パルスになりました。

小数点はパルス数で数えられないので、301パルス動いた場合として、理想（170mm）に対しての誤差を求めます。
エンコーダ1パルスが回転した時の長さは、プーリの円周長さ113.04／エンコーダのパルス数200パルス＝0.5652mmになります。
従って301パルスカウントした場合に動く長さは、計算上0.5652mm×301パルス＝170.125mmになります。
誤差は、0.125ｍｍになりました。（この場合最大1パルス分の±0.5652mmの誤差が生じます。）
計算は機械誤差などを考慮せず計算しています。
エンコーダのパルス数を増やせば、動かしたい距離との差は小さくなりますが、部品公差や組立て誤差、必要精度などを考慮し、パルス選定をお願いいたします。

2.駆動軸（モータ等）とエンコーダの接続

１）駆動軸（モータ等）とカップリングで接続する場合

エンコーダ軸と駆動の軸との結合には、ミスアライメントを吸収可能にするため、カップリングをご使用ください。
カップリングを使用しても、取付け方によっては軸に許容以上の荷重がかかることがありますので、軸径の選定・芯出しは慎重に行ってください。
お互いの軸の芯ずれがあると、エンコーダの軸や軸受けに過大な負荷がかかり、破損します。

カップリングの材料と特長、取り付けについては、 <ロータリエンコーダ用カップリングについて> をご覧ください。
カップリングへの軸の挿入量は、上記Web<ロータリエンコーダ用カップリングについて>の記載の『軸挿入深さ』の範囲とすることを推奨します。
挿入量が深さ寸法範囲より長い場合は、カップリング内部に軸の干渉がないことを確認してください。
挿入量が短い場合には、軸のスリップやクランプ部の破損が発生することがあります。

【カップリングの取りつけ手順】

取付軸の表面、カップリング取付面のゴミ、油分をウエス等できれいに拭き取ってください。
取付軸の芯だしを行い、カップリングを軸に通します。
- カップリングを両軸に入れた時、スムーズに動くことを確認してください。
- カップリングと軸とのねじ止めはしないでください。
エンコーダを固定する。軸は、適正な値以上にカップリングに押し込まないでください。
カップリングを固定する。軸に適正トルク値でねじ止めをしてください。
周囲の整理整頓や安全を確保し、低速回転から徐々に回転数を上げ、異音や振動が発生した場合は、直ちに停止させてくだい。
回転が停止するまで絶対にさわらないでください。