ロータリエンコーダ使用上の注意事項/ノイズ対策

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ロータリエンコーダ使用上の注意事項 / ノイズ対策

更新日 2024-3-4

使用上の注意事項

ロータリエンコーダは精密部品で構成されていますので、衝撃を与えると機能を損うことがあります。取扱いには十分ご注意ください。

メガ-テストについて

ケースと電気回路の間に500 Vの耐圧を有していますが、電圧の加え方を誤ると内部の電子回路を破壊する恐れがありますので、メガ-テストは行わないでください。
※TRD-GKシリーズのシールド線はケースに接続されていますが、電子回路とは絶縁されています。TRD-SR/SHR/S/SH/2E/N/NH/J/NA/Kシリーズのシールド線はケースに接続されていません。

取付けについて

取付けに際し、軸をたたくなど、衝撃を与えたり、こじったりしないでください。
エンコーダ軸と機器の軸との結合にはカップリングをご使用ください。軸にカップリングを取付ける際は無理に押し込まないでください。カップリングを使用しても、取付け方によっては軸に許容以上の荷重がかかることがありますので、芯出しは慎重に行ってください。
軸受寿命は使用条件によって変わり、特に軸荷重が大きく影響します。規定荷重内であっても軸受荷重をより軽減することにより寿命を大きく延ばせます。
ロータリエンコーダを分解しないでください。防油・防滴性が損なわれます。また防塵・防噴流形であっても、本体には長時間水や油がかからないようにしてください。かかった場合には拭きとってください。
ホローシャフトタイプは付属の六角穴付きセットスクリューで固定します。ネジロック剤を併用してゆるみを防止してください。

振動について

ロータリエンコーダに加える振動は誤パルス発生の原因となることがありますので、取付場所などに十分ご留意ください。一回転のパルス発生数が多いものほど回転スリット板のスリット間隔が狭くなっていますから、振動の影響を受けやすく、低速回転時や停止中に加わる振動がシャフトや本体に伝わって回転スリット板が回転したかのようになり、誤パルスを発生することがあります。

配線/接続について

誤配線は内部回路破損の原因となりますのでご注意ください。トーテムポール出力形は、出力端子と電源0 V側との短絡は短絡保護されていますが、出力端子と電源プラス側との短絡は保護されておりません。

ノイズ対策

ケーブルの配線は他の動力線と平行したり、同一ダクトに配線しないでください。
制御盤内のリレーやスイッチ類から発生する火花は、コンデンサやサージ吸収用の素子でできるかぎり除去してください。
放電熔接機や電気炉などの付近での使用は避けるか、電磁シールドをするなどの対策をしてください。
延長ケーブルは必ずシールドケーブルをご使用ください。
TRD-SR/SHR/S/SH/2E/N/NH/J/NA/Kシリーズのシールド線は0 Vに接続するか接地してください。TRD-GKシリーズのシールドは内部でケース本体に接続されていますからケーブル端での接続は不要です。
電源投入時、遮断時に誤パルスが発生する場合がありますので、電源投入0.1秒後、電源遮断0.5秒後でご使用ください。
エンコーダ筐体と制御盤筐体間に電位差が発生し、ノイズによる誤動作が考えられる場合は、両者間を3～5.5 mm2の電線で接続してください。
接地方法：エンコーダと周辺機器との関係によりノイズの影響は異なりますが、ノイズの影響が考えられる場合の接続例は下表の通りです。

制御盤との距離	ロータリエンコーダの接続方法
30m以下	ロータリエンコーダ筐体は制御盤筐体に3～5.5 mm²の電線で接続してください。0 V（E）端子は同種の電線で制御盤筐体に接続し、さらに接地してください。
30m以上	上記に加え、ロータリエンコーダも接地してください。

解説動画

ロータリエンコーダの『ノイズ対策や使い方について』その１

ロータリエンコーダの『ノイズ対策や使い方について』その２

ケーブルの延長

ケーブルの延長は、ケーブル導体の抵抗分および線間容量の影響で波形のひずみなどを起こしやすいので、導体抵抗、容量の低いもの、また信号間の干渉の少ないもの（同軸ケーブル等）を使用し、最高使用周波数も下げてご使用ください。
下図に示すようにロータリエンコーダの電源をDC24Vで給電すると、信号の長距離伝送によるノイズや線間容量による位相ずれ、波形の歪みなどに対し良好な結果が得られます。
ロータリエンコーダの電源をDC24 Vで給電した場合の図です。